歯と口は、とても大切です。「口は命の入り口・心の出口」という言葉もあるように、健康に生きるためには、歯と口の健康を保つことがとても大切です。しかし目や耳といった他の器官と同様に、歯や歯茎、そしてそれらを支える顎の骨も、加齢とともに衰えていきます。
さらに、むし歯や歯周病になってしまうとその衰えは更に加速し、咬み合わせが不安定になっていきます。そうなると、歯には更に大きな負担がかかり、咬み合わせはより不安定に、という悪循環を招き、歯を失うリスクがどんどん高くなっていきます。その結果として食事や会話に支障をきたすようになれば、体の健康を損なうことにも繋がります。したがって歯科医療の意義は、歯と口の衰えをできるだけ遅くすることによって、体全体の健康を保つことにあると考えています。
そしてそのために必要なものが、「予防・治療・メインテナンス」の3つです。
むし歯や歯周病で失われたもの(歯・歯の神経・顎の骨など)は、どんな治療を行っても元どおりになることはありません。つまりむし歯や歯周病の予防は、治療よりも遥かに大切です。
むし歯と歯周病の予防には、プラークコントロール(歯磨き)と生活習慣の改善(砂糖制限や喫煙など)、そして歯の質を強化(フッ化物の活用)が有効です。当院では、ブラッシング指導や歯石除去、フッ化物の活用などによりむし歯と歯周病の予防に努めています。
しかし、むし歯と歯周病の予防には、患者さんご自身がその必要性を感じ、毎日実践していただくことが最も大切です。口腔内写真などを活用し、できるだけ自己管理の必要性を実感していただけるよう心がけています。
歯の治療には、(歯を削る・神経を取る・歯を抜くなど)様々な犠牲を伴います。しかしその犠牲は少ないに越したことはありませんので、必要最小限の治療介入で最大限の効果を上げることができるように!と意識しています。そのためにも、治療前・治療中にはレントゲンや写真、型どりなどの検査をしっかりと行うよう心がけています。
また、治療によって求めるゴールは患者さんそれぞれです。患者さんの希望をすべてかなえることは難しいことですが、それぞれの歯と口、全身の状況とを考え合わせて、なるべく長い目でみて最善と思われる治療方針を考えるようにしています。
歯と口だけでなく、修復物(詰め物・被せ物・入れ歯など)も経年的に劣化していくことは避けられません。つまり、治療が終わったらそのままメインテナンスフリーでOK!というわけにはいかず、それぞれの変化に応じた対処が必要となります。そういった対応を逐次行っていくことが、むし歯や歯周病の予防にもなり、歯と口の健康を長く守っていくことに繋がります。
お子さんの虫歯予防は生まれる前から!!
生まれたばかりの赤ちゃんの口には虫歯菌はいません。身近にいる人、特に赤ちゃんと接する時間の長いお母さんから虫歯菌がうつることが多いと言われています。お母さんの口の中に虫歯菌が多くいると、お子さんにも小さいうちに虫歯菌がすみつきやすくなります。妊娠中にお口の中もきれいにお母さんになる準備をしましょう。
安定期であれば虫歯の治療も行えます。
妊娠中は、つわりや、ホルモンバランスの変化で歯茎が腫れやすくなっています。お母さんに歯周病があると赤ちゃんが早産や低体重で産まれてくるリスクが7倍になるともいわれています。
また、赤ちゃんがうまれるとお世話で忙しくてつい自分の歯磨きは後回しになりがちです。
妊娠中に正しい歯磨きの仕方を覚えてお母さん自身の虫歯、歯周病も予防しましょう。
ファミリールームなら上のお子さんを遊ばせながら診療を受けることができます。
また、生まれてきた赤ちゃんはいつから歯磨きしたらいいの?など子育てに関する疑問や心配にも女性歯科医師がお答えします。